フランス菓子Maison Weniko


パティシエの日記です
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メゾンベニコの素材の話 粉についてその2

 寒くなったり、暖かくなったり、不安定な天気が続きますが皆様はいかがおすごしでしょうか。

 前回に引き続き、今回も粉のお話です。
お店のコンセプトに、まずは茨城県産の素材から探すということを決めていたので、小麦粉も探してみました。
常陸産の小麦粉があったのですが、薄力粉といってもそれは、どちらかというとうどんを作るときに使用する中力粉に近いものでした。土地柄、そばのつなぎにも使ったりするみたいです。もともと国産の薄力粉は中力粉に近く、お菓子よりもパンに作るほうに向いています。クッキーや、パイを何度か試作してみたのですが、目指す味わいにできませんでした。(ちなみに、メゾンベニコの近く「ぱん家クルート」さんに時々、茨城産の粉で作ったクロワッサンやカンパーニュが並びます。粉の味わいがしっかり感じられ、特にクロワッサンは驚くほどサクサクです。)近い将来、お店に並べられるようなお菓子を作ることが、目標です。

 次に国産で有機栽培の小麦粉も探してみました。あることはありますが、安定供給という点でいうと、有機栽培の作物は難しく、その年によってとれたりとれなかったりという問題点があります。そして、価格の面からも、問題が出てしまいます。外国産と国産の粉の価格を比較すると、1・5倍から2倍の差があります。さらに有機の粉になると、国産の普通の粉と比べると、2倍以上の価格になります。外国産の有機の粉は供給の面でいえば安定し、国産のものと比べると若干価格も抑えられますが、今度はフードマイレージ(食糧の輸送距離)の問題が出てきます。
 お店でお菓子を作るうえでは、いろいろな面からバランスということを考える必要があります。「安心・安全」「おいしさ」「価格」・・・。例えば、100パーセント有機栽培・無農薬の素材でお菓子をつくり、味の点でも申し分ない。けれども、小さな焼き菓子が一つ1000円以上もしてしまう。そうなると、日常で食べるお菓子とはかけ離れたものになってしまいます。
 前回のお話に加え、メゾンベニコのコンセプトにのっとったお菓子を作るということを考えた結果、薄力粉と強力粉は北海道の物を使っています。全粒粉は今のところ、使用していません。これも、砂糖の時と同様で、全粒粉はバターとの相性があまり良くないというのと(菜種油などの植物性の油のほうが相性が良いです)、粉の味わいの主張が強すぎるからです。

 最近はここに、フランス産の小麦粉を加えました。去年、小麦粉の勉強会に参加したときに知ったものです。
コンフィチュールに合うお菓子を作ろうと思った時に、フランスでも定着したスコーンで、ざくっとした味わいの物を作ろうと使い始めました。「フランスクッキー」の名前で販売している、大きなフランスの形の抜型のクッキーにも、この粉とフランス産のエシレバターを使用しています。

次回は、粉の定義を広げ、そば粉とベーキングパウダーに関して書きます。

 
by weniko | 2013-03-31 22:19 | Trackback | Comments(0)

メゾンベニコの素材の話 粉についてその1

 ホワイトデーにはたくさんのお客様が来てくださり、本当にありがとうございました。
営業日の短縮でご不便をおかけしている中、お買い物にいらして、応援の言葉をかけてくださり、励みになります。次回の営業日は未定ですが、また皆様にお会いできる日を心より楽しみにしております。

 さて、今回は粉の話になります。

 メゾンベニコでは開店当初から、北海道の薄力粉や岩手県の強力粉などの国産の小麦粉を使っています。
国産の粉を使おうと思ったわけは、私が「ル・コルドンブルー」という製菓学校に行っていたころにさかのぼります。
 そこで、本格的にフランス菓子を習い始めたのですが、ケーキを組み立てるときは、スポンジに大量のシロップを浸してから、ムースやクリームなどをサンドしていました。その時は、「フランス菓子はずいぶんべチャッとしたお菓子なんだなー」と思っていました。先生からも、シロップをたっぷり浸すのが、フランス菓子ですと聞かされていたので、なんの疑問も抱かず、お酒をたっぷり使ったシロップを、スポンジ生地がべちゃべちゃになるくらい浸すのが本当のフランス菓子で、そういうものをフランス人はおいしいと感じるのだと認識していました。

 その後、初めてフランスに行ったのが24の時です。まだ、お菓子屋になろうという気持ちはそれほど強くなく、ただ本場を見てみたいと思い、大森由紀子さんのパリのお菓子屋さんのガイドブックを手に、ひと月ほどフランスに滞在しました。その時、ブルターニュ地方のレンヌという町に住んでいた友人の家で、お菓子を作る機会を得ました。
 そこで初めて、フランスの小麦粉を使って生地を焼きました。日本でお菓子を作るときは日清製粉のスーパーバイオレットという粉を使っていたのですが、おそらく一般的には万能な粉で、日本人の味覚に合うよう、たとえばスポンジならしっとり・ふんわり焼きあがるようにブレンドされています。
 さて、フランスの粉ですが、ふんわりですが、ぼそっとした生地に焼きあがりました。
その時にもたくさんのシロップに浸して、ショートケーキを組み立てたのですが、ぼそぼそした生地にいい状態でシロップが浸透し、ふんわり・しっとり、まったくべチャットした感じではないお菓子に仕上がりました。
 粉が荒くて、ボソッとした生地に焼きがるから、シロップを浸すことで、触感をおぎなっているのだと分かった瞬間です。シロップを浸すことにも意味があるのだと納得できました。

 その時の経験が、やはりその土地で作った作物を使うことが、お菓子を作るときのひと手間にも意味が見いだせるのではないかと思ったきっかけです。

 次回は、今お店で使っている粉について詳しく書く予定です。

 前回の砂糖の話を書いた時にはお客様からいろいろご意見を頂きましたので、今後も粉について書き終えたら、乳製品や果物などについてもかいていきたいなと思っています。

 
 
by weniko | 2013-03-22 20:03 | Trackback | Comments(0)

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